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慢性腎臓病・慢性腎不全
慢性腎臓病とは?

慢性腎臓病(CKD)は、慢性的な経過をたどる腎臓病の総称です。日本国内では約2,000万人(成人の約5人に1人)が該当するとされ、新たな国民病となりつつあります。
初期は無症状ですが、進行すると腎機能が著しく低下し(腎不全)、最終的に人工透析が必要になります。また、心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な病気のリスクも高まりますので、定期的な検査による早期発見と早期治療が重要です。
慢性腎不全とは?
慢性腎不全は、慢性腎臓病(CKD)が進行し、腎機能が正常の30%未満に低下した状態です。腎臓が老廃物や余分な水分を十分に排出できなくなり、尿毒症症状(吐き気、食欲不振、かゆみ、貧血など)が現れます。
さらに進行すると末期腎不全となり、透析療法や腎移植が必要となります。一度低下した腎機能は完全には元に戻りませんが、適切な治療により進行を遅らせることが可能です。
慢性腎臓病の重症度分類と症状
腎臓には糸球体というろ過装置があり、血液から老廃物をろ過して尿のもとを作っています。この量を数値化したものが「糸球体濾過量(GFR)」で、慢性腎臓病はこの数値によって分類されます。
| 病期 | GFR(mL/分/1.73㎡) | 腎機能の状態 | 主な症状・所見 |
|---|---|---|---|
| G1 | 90以上 | 正常または高値(腎障害あり) | 無症状、蛋白尿・血尿のみ |
| G2 | 60~89 | 軽度低下(腎障害あり) | 無症状、蛋白尿・血尿 |
| G3a | 45~59 | 軽度~中等度低下 | むくみ、血圧上昇、軽度の貧血 |
| G3b | 30~44 | 中等度~高度低下 | 疲労感、食欲低下、貧血の進行 |
| G4 | 15~29 | 高度低下 | 吐き気、かゆみ、骨の痛み、電解質異常、透析・移植を検討 |
| G5 | 15未満 | 末期腎不全 | 尿毒症症状、透析・移植がほぼ必須 |
日本腎臓学会編「CKD診療ガイド2012」より作成
慢性腎臓病の原因と合併症
原因となる疾患
糖尿病性腎症、慢性糸球体腎炎、高血圧性腎硬化症、多発性嚢胞腎などが原因となります。糖尿病性腎症は糖尿病が、そのほかは高血圧、脂質異常症、肥満、喫煙、高齢、家族歴、薬剤の副作用などが主な要因です。いずれも生活習慣と深い関係があります。
合併症
貧血、心不全、肺水腫、尿濃縮力障害、高カリウム血症、二次性副甲状腺機能亢進などを合併することがあります。高血圧や糖尿病などが原因となっている場合、動脈硬化の進行によって心血管疾患(心筋梗塞や脳卒中など)による死亡リスクも増加します。
慢性腎臓病の検査と治療
当院では、総合内科専門医による腎臓と心臓の包括的管理を行っています。
検査
血液検査(クレアチニン、eGFR、電解質)、尿検査(蛋白、潜血)、腎臓エコーなどを行って、腎機能を評価します。必要に応じて腎生検を専門施設と連携して実施します。
治療
原疾患の治療
糖尿病や高血圧などの厳格な管理が基本です。肥満や運動不足、喫煙などの生活習慣に起因する疾患が原因となることが多いので、生活習慣の見直しも重要です。
薬物療法
腎保護作用のある降圧薬、貧血治療薬、リン吸着薬、高カリウム血症治療薬などを使用します。
腎代替療法
末期腎不全では人工透析(血液透析、腹膜透析)や腎移植が必要となります。
日常生活での注意点
慢性腎臓病の治療は、慢性腎不全(特に末期腎不全)への進行を防ぐことと、合併症を防ぐことにあります。毎日の生活では以下を意識し、腎臓への負担を軽減しましょう。また、発症・進行に伴う自覚症状がほとんどないため、健診等で異常を指摘されたら、症状がなくても医師に相談しましょう。
- 血圧の厳格な管理(高血圧の方)
- 適切な血糖コントロール(糖尿病の方)
- 規則正しい食事を摂る
- 減塩を心がける
- 禁煙の徹底
- 肥満の改善
- 適度な運動(医師と相談)
- 定期的な健康診断・人間ドック など