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肺がんとは？
肺がんは、肺の気管、気管支、肺胞の細胞が何らかの原因で悪性化（がん化）したものです。自覚症状が少なく、早期発見が困難なこともあり、日本人のがん死亡原因の上位を常に占めています。
喫煙との関連が深いがんですが、非喫煙者でも発症することがあります。「タバコを吸わないから肺がんにはならない」ということはありませんので、定期的な検診による早期発見が治療の鍵となります。
肺がんの症状
初期症状はほとんどない
早期の肺がんは無症状のことが多く、健診の胸部レントゲンで偶然発見されることがあります。咳、痰、血痰が初期症状として現れることもありますが、風邪と区別がつきにくいのが特徴です。
進行時の症状
持続する咳、血痰、胸痛、息切れ、声のかすれ（嗄声）、体重減少、発熱などが現れます。理由なく2週間以上咳が続く場合には要注意です。
転移による症状
骨転移による痛み、脳転移による頭痛やけいれん、肝転移による黄疸など、転移先の臓器により様々な症状が出現します。
肺がんの原因とリスク要因
喫煙
喫煙は肺がんの主要なリスク要因で、喫煙者の肺がんリスクは非喫煙者の倍以上に上るとされています。受動喫煙も肺がんリスクを高めるので、非喫煙者の方も注意が必要です。
その他の要因
大気汚染、アスベスト曝露、放射線被曝、慢性肺疾患（COPD、肺線維症）、家族歴なども肺がんのリスクを高めます。近年は非喫煙者の腺がんも増加しており、誰もが注意すべき病気です。
肺がんの検査
当院では、以下の検査により肺がんの早期発見と精密診断を行っています。
胸部X線検査（レントゲン）
肺がん検診として胸部X線検査（レントゲン）を実施しています。早期発見に有用ですが、心臓や横隔膜に隠れた部位の病変は見つけにくいという限界もあります。
CT検査
X線を利用して体内の断面画像を撮影する検査です。小さな病変も発見でき、肺がんの診断に不可欠な検査です。
※CT検査を実施可能な近隣施設をご紹介します
喀痰細胞診
痰の中のがん細胞を調べる検査で、中心型肺がんの診断に有用です。
肺がんの治療
肺がんの組織型と病期に応じて、手術、化学療法、放射線治療を単独または組み合わせて行います。
外科手術
早期の非小細胞肺がんでは、手術による完全切除が第一選択となります。近年は胸腔鏡を用いた低侵襲手術も行われており、術後の回復が早くなっています。
化学療法・分子標的治療
進行肺がんや小細胞肺がんでは、抗がん剤による治療が中心となります。近年は遺伝子検査により、患者様のがんの特徴に合わせた分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬を選択でき、従来より効果的な治療が可能となりました。
放射線治療
手術不能例や化学療法との併用で行われます。定位放射線治療により、早期肺がんでも手術と同等の効果が得られる場合があります。
予防と早期発見の重要性
肺がんの予防には禁煙が何より重要です。40歳以上の方で喫煙歴のある方は、年1回の胸部X線検査（レントゲン）をお勧めします。また、咳や痰が2週間以上続く場合は、早めに受診してください。
当院では、肺がんの早期発見に注力し、必要に応じて迅速にCT検査や専門医療機関への紹介を行っています。世田谷区の肺がん検診も実施しておりますので、該当する方はぜひご活用ください。
