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肥満・メタボとは？
肥満はいわゆる「太っている」状態のことで、BMI数値25以上が該当します。このうち、内臓脂肪型肥満に高血圧、高血糖、脂質異常が重なった状態をメタボリックシンドローム（メタボ）と言います。過度な脂肪の蓄積自体に様々な健康リスクがあり、それにほかの生活習慣病が重なることで、動脈硬化の急速な進行をもたらします。
診断基準
肥満
BMI（BodyMassIndex）という指標を目安にします。
| BMI | 判定 |
|---|---|
| 18.5未満 | 低体重 |
| 18.5～25未満 | 普通体重 |
| 25～30未満 | 肥満（1度） |
| 30～35未満 | 肥満（2度） |
| 35～40未満 | 肥満（3度） |
| 40～ | 肥満（4度） |
メタボ
内臓脂肪の蓄積（腹囲：男性85cm以上、女性90cm以上）に加え、以下の2項目以上が該当する場合に診断します。
- 高血糖（空腹時血糖110mg/dL以上）
- 高血圧（最高血圧130mmHg以上または最低血圧85mmHg以上）
- 脂質異常（中性脂肪150mg/dL以上またはHDLコレステロール40mg/dL未満） など
肥満・メタボによる影響
動脈硬化の進行
近年、内臓脂肪から動脈硬化を促進する物質が分泌されることが明らかになりました。この影響により、メタボの方は脂質や血圧、血糖値などがそれほど高くなくても、動脈硬化が促進されやすい可能性があります。
合併症
動脈硬化の進行により、脂肪肝や虚血性心疾患（狭心症や心筋梗塞など）、脳梗塞、がん（大腸、乳房、子宮）のリスクが増加します。合併している疾患が多いほど他の合併症のリスクが上昇する悪循環に陥りやすいため、注意が必要です。
肥満・メタボの原因
エネルギーバランスの乱れ
摂取カロリーが消費カロリーを上回ることで脂肪が蓄積します。過食、高脂肪食、糖質過多、不規則な食事が原因となります。
その他の要因
運動不足、加齢による基礎代謝低下、ストレス、睡眠不足、遺伝的素因、薬剤（ステロイド、一部の精神科薬）も関与します。
肥満・メタボの検査と治療
当院では、循環器内科専門医による肥満・メタボリックシンドロームの包括的な管理を行っています。
検査
身体測定、血液検査（血糖、脂質、肝機能）、腹部CT（内臓脂肪測定）、動脈硬化検査などを実施します。同時に高血圧や糖尿病、睡眠時無呼吸症候群など、他の疾患の合併の有無もチェックします。
治療
生活習慣の改善
食事療法と運動療法を組み合わせ、適正体重を目標に減量を行います。急なダイエットはかえって体に悪影響を及ぼすので、焦らず徐々に改善していきます。
薬物療法
生活習慣の改善のみでは不十分な場合、肥満症治療薬を検討します。GLP-1受容体作動薬も選択肢となり、注射タイプ（ウゴービ）を取り扱っています。
日常生活での注意点
食事の工夫
- 医師と相談しながら1日の摂取カロリーを制限
- 野菜を先に食べる（ベジファースト）
- 炭水化物・脂質の食べ過ぎに注意
- よく噛んでゆっくり食べる
- 間食・夜食を控える など
運動のポイント
- 有酸素運動を無理なく生活に取り入れる
- 筋トレとの並行で基礎代謝向上
- 日常生活での活動量増加（階段利用、徒歩での移動など）
- 意識して歩く（1日8000歩以上を目安に） など
生活上の注意
- こまめに体重を測る
- 食事日記の活用
- ストレス対処法の習得
- 十分な睡眠時間の確保 など
