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骨粗鬆症とは？
骨粗鬆症は、骨密度が低下して骨が脆くなる病気です。自覚症状がないまま進行するのが特徴で、進行するとわずかな衝撃でも骨折してしまいます。通常なら折れない背骨や大腿骨（太ももの骨）を骨折するリスクがあり、高齢者では寝たきりの原因となります。
骨粗鬆症の症状と骨折リスク
初期症状
初期は無症状ですが、進行すると身長低下（2cm以上）、背中の曲がり、背部痛などが現れます。
骨折好発部位
脊椎圧迫骨折、大腿骨近位部骨折、橈骨遠位端（手首）骨折、上腕骨近位部骨折が起こりやすくなります。特に高齢者では、要介護の主要な原因となります。
骨折の連鎖
一度骨折すると、次の骨折リスクが増加します。複数箇所の骨折が起こると、体が大きく歪んでしまう可能性があるので、初回骨折の予防が重要です。
骨粗鬆症の原因
原発性骨粗鬆症
ホルモンバランスの変化、加齢による骨形成能の低下が主な原因です。骨の代謝には女性ホルモンが大きく関わっているため、骨粗鬆症は女性、特に閉経後の方に多く見られます。
リスク要因
喫煙、過度の飲酒、運動不足、カルシウム・ビタミンD不足、やせ型などがリスクを高めます。
続発性骨粗鬆症
ステロイド薬の長期使用、甲状腺機能亢進症、関節リウマチ、糖尿病、慢性腎臓病などが原因となることもあります。骨粗鬆症の治療と同時に、原疾患の治療が必要です。
検査と治療
当院では、骨粗鬆症の早期発見と骨折予防を重視した治療を行っています。
検査
手の骨のレントゲン撮影を行って骨密度を測定します（MD法）。そのほかにも血液検査や尿検査で、骨代謝マーカー（骨の新陳代謝の速度）やカルシウム、ビタミンDなどを調べることもあります。
治療
生活習慣の改善
骨の形成に関わるカルシウムやビタミンDを積極的に摂取します。骨はある程度の負荷がかかることで丈夫になるので、適度な運動や日光浴も重要です。また、タバコや過度な飲酒は骨代謝に悪影響を及ぼしますので、控えるようにしましょう。
カルシウムを多く含む食品
- 乳製品：牛乳、ヨーグルト、チーズ
- 小魚：しらす干し、ししゃも、煮干し、桜えび
- 大豆製品：豆腐、納豆、厚揚げ、高野豆腐
- 緑黄色野菜：小松菜、チンゲン菜、モロヘイヤ、大根の葉
- 海藻類：ひじき、わかめ、昆布 など
ビタミンDを多く含む食品
- 魚類：さけ、さんま、うなぎ、いわし、さば
- きのこ類：干ししいたけ、きくらげ、まいたけ
- 卵：卵黄 など
薬物療法
生活習慣の改善のみでは不十分な場合には、お薬を使った治療も検討します。骨吸収を抑える薬、骨形成を促進する薬、カルシウム製剤、ビタミンD製剤などを、骨折リスクに応じて選択します。
日常生活での注意点
転倒予防
- 家の中の段差解消、手すりの設置
- 滑りにくい履物の使用
- 適切な照明の確保
- 筋力・バランス訓練 など
運動のポイント
- ウォーキング、階段昇降などの荷重運動
- 背筋を伸ばす体操
- バランス訓練（片足立ち）
- 有酸素運動と筋肉トレーニングの組み合わせが効果的 など
