■高血圧・心腎外来 |
高血圧は最も有病率の高い生活習慣病です。当院ではまず家庭血圧の測定を推奨し、血圧日内変動のパターンを明らかにします。"診察室では正常血圧なのに家庭では高血圧"というケースも多くこれを仮面高血圧(「心肥大」や「腎障害」などの臓器障害をきたしやすい状態)と言いますが、このような場合はまず家庭血圧を見て必要に応じて24時間血圧計を使用します。
高血圧の95%以上は本態性(原因不明)ですが、近年メタボリックシンドローム、糖尿病や睡眠時無呼吸など肥満に起因する高血圧、ストレスに起因する高血圧が増えております。従って患者さんの生活習慣のリスク評価、生活習慣相談をして、適切な治療に進みます。
次に、動脈硬化測定や心臓肥大の程度、腎機能を評価します。また将来末期腎不全に至る危険性を有する慢性腎臓病(Chronic kidney disease:CKD)患者さんは、約1,000万人存在すると報告されています。このCKDは心血管疾患の発症や死亡の重要な危険因子です。
さらに最近、「心・腎連関」という言葉がよく使われますが、明らかな腎機能の低下が存在しない状態(例えば微量アルブミン尿の存在のみ)でも、腎疾患の存在は心血管系疾患の重要なリスクファクターであることが実証されております。 以上から当院では高血圧治療において心臓・血管・腎臓の臓器保護作用を重視した患者さんに最適な治療を目指しています。
① 心エコー:左室肥大や心機能、弁膜症の有無を把握します
② 頚動脈エコー:頚動脈の動脈硬化度を評価します
③ 脈派伝搬速度(PWV)、上腕-足首血圧比(ABI):動脈の硬さと下肢の動脈のつまりを検査します。
④ 中心血圧測定装置:中心血圧により心臓のストレスの程度や血管(大血管)の硬さを判定します。
⑤ 24時間血圧計(ABPM):高血圧のタイプを診断し治療に使用する薬剤選択や仮面高血圧の検出などに有用です。
⑥ 尿中アルブミン測定:微量アルブミン尿が腎機能や心血管イベントの指標であることは,糖尿病だけでなく高血圧患者さんなどでも知られています。微量アルブミン尿を改善させる治療は腎・脳・心の血管に保護的な治療となります。
⑦ e-GFR評価:腎臓がどれくらい機能しているかを、簡単かつ正確に推定し評価できます。 |
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■不整脈・心不全・胸痛外来 |
不整脈は突然脈が乱れる、動悸を感じる、時々気が遠くなる、などの症状があり自覚される方はご相談ください。心臓超音波検査、各種心電図、レンゲン等を用いて正しい診断と最善の治療及び管理を行います。
心不全は、慢性的に心収縮機能が低下した状態で動くと動機や息切れがする、また横になると、何となく息苦しい、最近急速に体重が増加した等の症状です。このような症状を自覚される方はご相談ください。
胸痛は動くと胸や肩、背中が痛くなる、夜中や朝方に胸が痛くなる、胸がもやもやするなど、胸部に不快感を自覚される方もご相談ください。血圧、心臓病によるものはもちろん、呼吸器疾患、消化器疾患、甲状腺機能異常や、更年期障害、ストレスなどの原因も考えられ精査致します。
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■心臓弁膜症外来 |
心臓には4つの弁があります。その弁が固くなったり、形が悪くなる変性が起こったり、弁を支える組織が切れたりすると、弁のところで血液の流れが悪くなったり(狭窄症)、血液の逆流を生じたりします(閉鎖不全症)。弁が正常に機能しなくなることで生じる病気を「心臓弁膜症」といいます。
心臓弁膜症になると、息切れや胸痛、めまい、失神などの症状が現れ、悪化すると心不全に発展します。心不全の原因は様々な疾患がありますが、弁膜症は主要な原因の一つであり、早期診断と正しい治療により日常生活に戻ることができます。
以前はリウマチ熱を原因とした心臓弁膜症が多かったのですが、最近では減少傾向の一方で高齢社会により加齢に伴う心臓弁膜症が増加しています。心臓弁膜症の治療には大きくわけて薬物治療、外科的治療(手術など)、内科的治療(カテーテルなど)の選択肢があります。最先端の治療を提供する高度医療機関では循環器内科医、心臓血管外科医、麻酔科医、その他医療スタッフを含めた多職種によるハートチームカンファレンスにて協議を行い、患者さんに応じた最適な治療を提供します。ハートチームの一員として多くの心臓弁膜症を診てきた経験を活かし、生命予後やQOLの低下を招く心臓弁膜症を早期発見し、侵襲的介入が必要な場合は最先端の医療を提供する医療機関への紹介を行い、最適な治療を行っていただくことを目標としております。日常の気になる症状があればご相談ください。
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■糖尿病外来 |
糖尿病は国民病と言われ、患者数は40歳以上の国民10人に一人が糖尿病で年々増加しております。糖尿病は予備軍のうちから動脈硬化が始まっており早期発見が重要です。検診にてハイリスクの方は75グラム糖負荷試験を行い正常、予備軍、糖尿病のどの状態かを把握して早期対応が重要です。
糖尿病初期は症状がほとんどなく合併症の進行に注意が必要です。合併症としては動脈硬化(心臓・脳血管・下肢)、細小血管障害(腎・網膜)、神経障害などのチェックが必要です。
治療は食事指導(カロリー指導)、運動療法指導、経口血糖降化剤療法、インシュリン外来導入などを施行しております。また自己血糖の把握は非常に治療に重要で必要な場合は自己血糖測定指導も行っております。
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