肺炎｜世田谷区用賀・二子玉川・桜新町の内科・循環器内科・呼吸器内科・消化器内科・皮膚科・アレルギー科｜まきのクリニック

肺炎とは？

肺炎は、肺に炎症が起こる病気の総称です。風邪と似た症状から始まりますが、適切な治療を行わないと重症化し、時に命に関わる合併症を起こすこともあります。

特に小さなお子様や高齢者、糖尿病や心臓病などの基礎疾患がある方、免疫力が低下している方は重症化しやすいです。早期診断が重要ですので、いつもの風邪とは異なる違和感がある場合には、早めに受診してください。

肺炎の症状

典型的な症状

通常の風邪では鼻やのどまでしか炎症が起こりませんが、肺炎では肺まで及びます。初期症状は風邪と似ていますが、重症化すると高熱（38℃以上）や激しい咳・痰（黄色や緑色の膿性痰）、胸痛、呼吸困難などが起こります。

症状が分かりづらい高齢者の肺炎

65歳以上の高齢者の肺炎では、発熱などの典型的な症状が軽微なことも多いです。この場合は食欲不振、全身の倦怠感程度で症状が分かりにくいため、診断が遅れることも多々あります。

肺炎の種類と原因

市中肺炎

日常生活の中で発症する肺炎で、細菌・ウイルス感染が主な原因です。細菌では肺炎球菌が特に多く、次いでインフルエンザ菌、マイコプラズマ、クラミジアなどが原因となります。ウイルス性肺炎ではインフルエンザウイルス、RSウイルスなどが代表的です。

誤嚥性肺炎

食べ物や唾液が誤って気管に入ることで起こる肺炎です。加齢による嚥下機能低下、脳血管障害、認知症、鎮静薬の使用などが原因となります。口腔内の常在菌（嫌気性菌）が主な原因菌で、夜間の不顕性誤嚥も重要な要因です。

受診の目安

早期受診が必要な症状

以下の症状がある場合は肺炎が疑われますので、早めに受診してください。

高齢者の注意点

高齢者では肺炎の典型的な症状が出にくいため、以下の変化に注意が必要です。

肺炎の検査と治療

当院では、肺炎の迅速診断と適切な治療により、重症化予防に努めています。

検査

胸部レントゲン、血液検査（白血球、CRP、プロカルシトニン）、喀痰培養検査などを実施します。必要に応じてCT検査を行うこともあります。

※CT検査は提携医療機関で行います

治療

抗菌薬治療

原因菌に応じた抗菌薬を選択します。軽症では経口薬、中等症以上では点滴治療を行うことで、通常7～10日ほどで軽快が見込めます。

対症療法

症状によっては解熱鎮痛薬、去痰薬、酸素療法、輸液療法などで全身状態を改善します。重症例では入院治療が必要となります。

肺炎の予防

肺炎の原因菌は多岐にわたり、従来の薬が効かない耐性菌も増えつつあります。熟練の医師でも診断が困難なケースがあるので、肺炎を予防することが何よりも重要です。

ワクチン接種

ワクチンは肺炎の原因となる病原体への免疫を高め、発症や重症化を予防する有効な手段です。特に肺炎球菌ワクチンは、65歳以上の方や基礎疾患のある方に推奨されます。

誤嚥予防

食事の工夫や口腔ケアにより、誤嚥性肺炎のリスクを減らすことができます。

生活習慣の改善

日常生活の見直しにより、肺炎にかかりにくい体を作りましょう。