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脈の乱れが続く
脈の乱れ（不整脈）は、「脈が飛ぶ」「脈が速い」「脈が遅い」など様々な形で現れます。健康な人でも起こることがありますが、脳梗塞や心不全の原因となる危険な不整脈もあるため、適切な診断が重要です。特に動悸、めまいなどを伴う場合には注意が必要です。
脈の乱れの原因
心臓の病気が原因の場合
心筋梗塞、心筋症、心臓弁膜症、心不全、先天性心疾患などの心臓病により不整脈が生じます。中でも心房細動（※）には脳梗塞のリスクが伴うため、特に注意が必要です。
（※）心房と言う心臓内の部屋が細かく震えることで起きる不整脈（頻脈）
心臓以外が原因の場合
甲状腺機能亢進症、電解質異常（カリウム、マグネシウム）、貧血、発熱、脱水などが原因となります。また、薬の副作用でも不整脈が起こることがあります。
生活習慣が原因の場合
過度の飲酒、喫煙、カフェインの過剰摂取、睡眠不足、ストレス、過労などが誘因となります。一時的なものであれば心配いりませんが、異常に心拍が乱れるようであれば、一度医師へご相談ください。
注意すべき症状
緊急受診が必要な症状
強い胸痛を伴う脈の乱れ、呼吸困難、冷や汗、意識障害を伴う場合は、命に関わる危険な不整脈の可能性があります。直ちに救急車を呼んでください。
早期受診をお勧めする症状
頻繁に脈が飛ぶ、めまいやふらつきを伴う、安静時でも脈拍が100回/分以上・40回/分以下の場合は、心房細動、発作性上室性頻拍、洞不全症候群、房室ブロックなどの不整脈の可能性があります。早めの受診をお勧めします。
関連する循環器疾患
心不全
心臓のポンプ機能低下により不整脈が生じやすくなります。また、不整脈が原因で心不全が悪化することもあります。
狭心症
心筋への血流不足により不整脈が誘発されます。特に労作時に起こりやすく、動悸・息切れ、胸痛などを伴うこともあります。
心筋梗塞
心筋梗塞の急性期では、激しい胸痛とともに危険な不整脈が生じることがあります。急性期の治療後（慢性期）にも起こることがありますので、適切な経過観察と予防が重要です。
心臓弁膜症
特に僧帽弁疾患では心房細動を合併しやすく、脳梗塞予防のため抗凝固療法が必要となります。
甲状腺機能亢進症
甲状腺ホルモンの過剰により頻脈が生じます。この場合、適切な治療で甲状腺機能を正常化することで、不整脈も改善することが多いです。
脈の乱れの検査と治療
当院では、不整脈の種類を正確に診断し、適切な治療により脳梗塞などの合併症を予防します。
検査
心電図検査、心臓エコー検査、血液検査（甲状腺ホルモン、電解質）などを実施します。当院では24時間ホルター心電図や7日間連続心電図も実施でき、通常の心電図では捉えきれない発作性の不整脈も正確に診断できます。
治療と対処法
原因に応じた治療
心臓の病気が原因となる不整脈では、まずは抗不整脈薬、血栓予防薬（抗凝固薬）などによる薬物療法を試みます。薬物療法で改善が難しい場合には、カテーテル治療（カテーテルアブレーション）、ペースメーカー植込みなどの手術を検討します。
※手術は提携先の専門医をご紹介して実施します
生活習慣の改善
心臓への負担となる生活習慣を改めます。カフェイン制限、節酒、禁煙、十分な睡眠、ストレス管理などが重要です。
