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循環器内科について
当院の循環器内科では、心電図や心臓エコーをはじめとした充実した検査設備と、経験豊富な専門医による診察を組み合わせ、高精度な診療を行っています。専門エコー技師による精密検査も定期的に実施することで、早期発見から専門治療まで、一貫した診療体制を整えています。
こんな症状でお困りの方へ
胸・背中の痛み
胸が痛い（胸痛）、背中の痛み（背部痛）などの症状は、狭心症や心筋梗塞などの重要なサインです。労作時の症状、安静時の症状、持続時間により原因を診断します。
動悸・不整脈症状
脈の乱れに伴う動悸・息切れを感じる方は、不整脈の可能性があります。脈が飛ぶ、速い、遅いなどの症状に対し、適切な心電図検査により確実な診断を行います。
全身症状
めまい、手足のむくみ、急な体重増加は、心臓のポンプ機能の低下によって現れることがあります。早期診断により、重症化を防ぐことが重要です。
対応する主な疾患
虚血性心疾患
虚血性心疾患は、心臓への血流が障害される病気で、狭心症や心筋梗塞などが代表的です。生活習慣病の管理から、薬物療法、必要時のカテーテル治療への紹介まで、包括的に対応します。定期的な検査により、症状のない無症候性心筋虚血の早期発見も行います。
不整脈
不整脈は心不全や脳梗塞のリスクを高め、突然死の可能性もあります。適切な薬物療法やカテーテル治療への紹介により、症状改善と予後改善を図ります。
心不全
心不全とは心臓の構造・機能的な異常により、うっ血や心内圧上昇、および心拍出量低下や組織低灌流をきたし、呼吸困難、浮腫、倦怠感などの症状や運動耐容能低下を呈する症候群と定義されます。心臓の病気が進行すると、心機能が低下（心不全）してQOL（生活の質）に大きく影響します。早期治療により心不全への進展を予防すること、あるいは適切な管理によって心不全の進行を抑えることが重要です。入院が必要な場合は連携施設への紹介、外来で治療が可能な場合はガイドラインに沿った適切な治療を行うことで予後改善を図ります。
心臓弁膜症
弁膜症の治療方針は機序診断や定量評価に加え、症例ごとの臨床的な評価を総合して決定されます。特に症状の有無は治療方針に大きく影響するため、病歴の聴取は極めて重要です。一般的に慢性弁膜症は経過が緩徐であるため、無意識に症状が出るような活動を避けるようになり、症状を自覚していないことがあります。これは一般的に高齢者の方に多く進行すると心不全を引き起こします。心臓エコー検査により弁の状態を詳細に評価し、手術適応の判断、専門施設への紹介を適切に行います。
大動脈瘤
大動脈瘤（aortic aneurysm）は｢大動脈の壁の一部が全周性、または局所性に拡大または突出した状態｣と定義されます。大動脈瘤の最も重要な臨床的問題は破裂です。「破裂」を厳密に定義することは困難ですが、一般的には血管外に血液の漏出を認めた場合を「破裂（rupture）」、血液の漏出はないが痛みの位置が瘤の存在部位と一致する場合を「切迫破裂（impending rupture）」と呼びます。近年では症状を重視して、「痛みがある＝危険な状態」と認識し、「症候性（symptomatic）」と「無症候性（asymptomatic）」とに分け、症候性の大動脈瘤は侵襲的治療の適応となることが多いです。
大動脈解離
大動脈解離（aortic dissection）とは「大動脈壁が中膜のレベルで2層に剥離し、本来の大動脈内腔（真腔，true lumen）と新たに生じた壁内腔（偽腔，false lumen）からなり、両者は剥離した解離フラップ（flap，内膜と中膜の一部からなる隔壁）により隔てられます。大動脈瘤・大動脈解離は、発症自体が命に関わることもある重篤な疾患です。血管エコー、心臓/腹部エコーやCT検査（撮影施設を紹介）によるスクリーニング、血圧管理による破裂予防を行います。
動脈硬化
動脈硬化は血管病変である狭心症/心筋梗塞や脳梗塞の基礎となります。動脈硬化を引き起こす原因疾患として高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病は重要であり、血管年齢測定（ABI/PWV）、頸動脈エコーにより動脈硬化の程度を評価し、脳梗塞や心筋梗塞への進展リスクを判定します。生活習慣の改善と必要であれば薬物療法により進行を抑制します。
呼吸器関連疾患
循環器疾患と密接に関連する気管支喘息や肺がんの早期発見にも注力しています。胸部レントゲン、必要時のCT検査（撮影施設を紹介）により、心臓と肺の両面から総合的に診療します。
当院の検査体制
心電図検査
通常の心電図に加え、24時間ホルター心電図、7日間連続装着可能な心電図により、一過性の不整脈も確実に診断します。
超音波検査（エコー検査）
専門技師による精密な心臓エコー検査を実施しています。心機能評価、弁膜症診断、心筋症の診断など、体への負担を抑えたまま詳細な情報が得られます。
血管検査
血圧脈波検査（ABI/PWV）により血管年齢を測定し、頸動脈エコーで動脈硬化を直接観察します。下肢静脈エコーにより深部静脈血栓の診断も可能です。
当院の治療方針
薬物療法
循環器専門医として、患者様の病状に応じた適切な薬物選択を行います。降圧薬、脂質異常治療薬、糖尿病薬、心不全治療薬、抗不整脈薬、抗血栓薬など、きめ細かな調整により副作用を抑えながら効果的な治療を実現します。
生活指導
減塩、運動療法、禁煙指導など、薬物療法と並行して生活習慣の改善をサポートします。心臓リハビリテーションの概念を取り入れた運動指導も行います。
専門医療機関との連携
カテーテル治療、ペースメーカー植込み、心臓手術が必要な場合は、信頼できる専門施設へ迅速に紹介します。退院後に病状が落ち着いた場合は当院で継続的な管理を行います。
